先日、今期入荷した野外品カンターミヤマの割り出しを行い、採卵に成功したので報告します。
過去のカンターミヤマの記事はコチラ
2017年から3年連続でブリードに挑戦しましたが、これまで散々の結果で、唯一成功?したのは2017年に4頭得た幼虫から僅かに羽化した1頭のみ(幼虫期間を4年も費やし、羽化したのはメス…)。
今年、2019年以来3年ぶりに野外品カンターミヤマが東京のショップに入荷しました。
直接購入できる距離にないため、HPにアップされるのを楽しみに待っていました。
どうやら今期はペアの入荷もあるようで、何としてでも購入したいと思い、HPでの販売開始数分前から準備していましたが、希望だったペアは購入できず、A’の個体(僅かな欠け等)を2メス購入しました。
到着
到着して個体を確認したところ、2頭とも爪の力も強く元気な個体でした。
ただ、A’の個体だけあり、僅かなアゴ欠けが見られましたが、マット産みの本種にはさほど影響はないと思い安心しました。
しかし、向かって左の個体は右の触覚が欠けており、産卵にどんな影響が出るのかわからず、正直期待できませんでした。
アゴ欠けの個体を本命のセットで、触覚欠けの個体を適当(テキトー)な産卵セットに入れてブリードに挑戦することにしました。
飼育種
【和名】
カンターミヤマ
【学名】
Lucanus cantori cantori
【産地】
インド北東部 アルナーチャル・プラデーシュ州 Lower Subansiri
飼育情報
【飼育温度】
18〜20度(18度設定のワインセラー)
【飼育ケース】
コバエシャッター中
【使用マット】
Nマットなど
水苔
産卵セット
本命(アゴ欠け)のセットは、Nマットと水苔をちぎったものを混ぜ合わせ、水分を多めに調整しました。
もう一方の触覚欠けのセットは、Nマットと水苔を千切ったものを混ぜ合わせたマットに、ある幼虫の飼育に使用したマットを少量混ぜ合わせたもので産卵セットを組みました。
割り出し
本命のセットは水苔を引き込んではいるものの、産卵していませんでした。
こちらは触覚切れの期待していなかったメスのセットになります。
セットをひっくり返しても、一目では産んでる気配がありませんでした。
案の定、セットを崩していきましたが、なかなか卵が出てきません。
今年も失敗かと思っていましたが、セット最下層の硬詰めしたところから…
何と卵が出てきました。
中には、ダメそうな卵も出てきましたが、
何とか、複数の卵を得ることができました。
再セット
1度目の産卵成功時と同様のセットを作り、再セットを組みました。
(本命のメスも同様のセットに組み直そうと思い割り出しましたが、すでに落ちており叶わず…)
割り出し
すでにメスが表面で落ちていましたが…
こちらも卵を得ることができました。
初回産卵分は順調に膨らんでいます(比較のために同一カップに入れていますが、別管理しています)
孵化
昨日、2022年11月7日、無事に初回採卵分が孵化してきました。
ここから数年また頑張ります。
最後までご覧頂きありがとうございました。
(前回のプレ企画はこちら)
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